新・片付け術 断捨離 「片付け」で、人生が変わる。

言わずと知れた「断捨離」、iPhoneの入力でも一発でワードがでる、断捨離。

これはもうネーミングの勝利で、本としてはあまり面白くなかった。エッセイだと思えば良いのかな。実用書としては、体系立ってないところとか、口語的な文体が頭に入ってこない。
断捨離に関しては、ムックとか、雑誌みたいに、写真実例がふんだんにあると楽しめそう。やましたひでこ氏自体は、あまり文章が上手くないのかも。もしくは出版社のエディターがザル。なので、監修本や、ライターが書いた本、もっと後年に書かれた断捨離本を読んでみようと思う。当初はここまで爆発的に流行するとは思っていなかったのかな、編集さんやライターさんの力って大事だなあと思う。

「捨てる!」技術

モテる!技術のほうを先に読んだのだが、元祖タイトル付けはこちらだったんだ...という気づき、今更ながら。こんまり先生のときめき本のなかで本書が述べられていてずっと気になっていたものの、読まずにそのままだったが、やっと手にした。それだけ今、片付けに困っているということだ。こんまりメソッドの源流本も読み解こうと考えたのだった。
かれこれ20年近く前に書かれている本書、言い回しに四半世紀ほどの違いを感じる。それがむしろツボで、この日本語ぐっとくる、などと読み進めながら思った。読み方がわからないままの単語もあったのだけど(メモしておけば良かった)とにかく昭和ぽくて良い。
こんまり先生にも続くのだが、引用されていたこのフレーズに集約されると思う。

山崎えり子『節約生活のすすめ』
でも、何度も考え、そして悩みながら物を捨てていくと、結果的に自分や家族にとって本当に必要な物が残ってきます。

新書のせいか基本的に文体はかたいのだが、シーン説明として挿入される、モノローグがずいぶん砕けていてそのギャップが面白かった。

シリコンバレー式 最強の育て方 ― 人材マネジメントの新しい常識 1 on1ミーティング―

とりあえずタイトルが長い、長すぎ。

本文で強調したいところに最初から青いマーカーが引いてあって、テレビのテロップ文化の派生なのでしょうか、こういうのは苦手である。忙しいあなたにマーカーつき版、不要な方へのマーカーなし版、などで販売してほしい。そしたらマーカーなし版を買う。e-bookだとそういうのできそうなものだけど。閑話休題

1on1ミーティング、企業文化というか社風が合わないところにはとことん合わない手法だと思うけれど、プライベート相互理解の質問項目など参考になる。

君に届け30

最終巻。
15巻くらいまでが好きで、そのあとはなんとなく読んでいたけど、25巻ころからの、あやねちゃんの初恋編がまたすこぶる良く、また新刊がでるときのわくわくが盛り返してきた。

そして最終巻。
そうだろうなあ、と予想しつつ、あやねちゃんの恋は実らなかった。清々しいくらいに潔い。その後編ではゴールインしてたらいいなあと期待しつつ、あっさり別の人と結婚していて欲しかったりもする。

風早くんと爽子のラストは意外だった。恋愛カタログの時代とは違うんですよね...
3年前の爽子がそんなこと言い出すと想像できましたか、私はできませんでした。


同じ自治体の遠距離なのになんでこうも悲観的なのかと思っていたら、道内は遠い、というコメントをどこかで聞いて、あっ、北海道内って地点によっては東京⇄大阪レベルに離れている、ということに気づいた。北幌というネーミングからして、東京⇄名古屋くらいの感覚?しかも東海道新幹線ほどポンポンこないだろうし。
むしろ東京に出たあやねちゃんのほうがアクセス的には近いのかもしれない。

ともあれ、連載中に自分自身の環境も変わって、おとなになって、それでも楽しめたのだから良い漫画だな、と思った。

映画ドラえもん のび太の宝島

楽しみにしていた、春休みのドラえもん映画「のび太の宝島」。

しかし予告期間が長く期待し過ぎたのか、去年のカチコチがすこぶる良かったためか、いまいち面白くなかった。ちなみに宝島は前作公開時点でドラえもんの衣装などメインビジュアルが決まっていた。今年の予告はお月さまとうさぎのワンカットである。

前売りプレゼントを受け取ったときから、予感があった。
今作の前売り特典は、ピカピカひかるドラえもんの宝箱なのだが、赤緑黄の点灯速度がかなり早く、じっとみているとオトナでも目がおかしくなる。ピカチュウを忘れたのか。危ないのでこどもからはそれとなく取り上げて隠してしまった。なんというか、いちいち細部がこども目線ではないのだ。それは本編にも言える。

ストーリーは全体的にサマーウォーズとかデジモンぽい。別にドラえもんじゃなくて良いというか、これはドラえもんじゃないと思う、ドラえもん冠をつけた別の映画である。

そして全編を通じて感じるとってつけた感。ドラえもんの対象年齢ならアニメに不条理があって良いのだけど、それを全部説明していくのである。そう、ものすごく説明的。こどもアニメは、雨が降ったら海になったって良いし、かばんから目玉焼きが出てきたって良いのである。
すべての不条理を逐一説明するから味気ない、冗長になる。
恐らくコアメッセージに据えたのであろう、父と子の葛藤にしても、去年のクレヨンしんちゃんでがっちり描いているし、重複する客層からすると、これまたしりりの劣化版という印象になってしまう。
オーソドックスなギャクもなく、モノローグが多く、大人が大人視点から降りずに作ったドラえもんという感じだった。こどもは置いてきぼりなのだ。
上映中、下の息子は飽きてしまうし、上の息子は楽しんだみたいだけど、もう1回いこうとは言わなかった。(去年のカチコチは、もう1回見に行きたいとしつこくせがまれ、2回見た)

エンドも尻切れトンボで脚本を回収しきれていないし、冒険のひとつひとつのエピソードが薄く、ドラえもんならではのダイナミズムがない。大きく風呂敷を広げて結局は製作期間が間に合わなかったという印象だ。

映画ドラえもんは年1ペースで公開され、時期をずらすことができない。ツギハギだらけでも春になったら公開なのである。航海、公開、後悔。

次作ではいつものドラえもんに戻っていると良いなあ。ドラ映画初期、あんな大作を連投できたなんて、藤子先生は偉大だった。

星野源のエンディングは良かった。あとからフレーズがけっこう降りてくる。PVもロンスカななのにエロティックですごかったけど。

君の膵臓をたべたい

ずっと気になっていた、ようやく読了。

君の膵臓をたべたい。まずその鮮烈なタイトルに引きつけられる、ナオコーラ以来の衝撃である。ネーミングの勝利である。
大好きな人が膵臓がんにかかって、憎いがん細胞を丸呑みしてしまいたい、とかいう意味で、世界の真ん中で〜のような展開かと思ってたけど、違った。世界の真ん中で〜は読んだことないけど。

テーマは重くタッチはライトな青春小説だが、純文学の要素も十分にある。ラノベも好きなのだけど、文体さえ整えたら、芥川賞だっていけるのに、と思った。描写がとても良かったり、月並みだったりするムラはありつつも、長さをぐっと凝縮してリライトしたら、もっと広く読まれるのだろうなあと思う。

死因だが、私はすごく好きだった、死因が好きっていうのもなんだけれど、この結末に、あ、ああ...という取り戻せない感覚が迫ってくる。あらゆる覚悟をして毎日を過ごしている人間は世界に数人なのではないかと思う。見通しがついてしまう現代に生きる者たちがどうしても退化させてしまう部分である。

表現手法として、名前がかっこ付きになっているのも良かった。まるで恋愛ゲームのような設定だけれど、この視点は無かった、この発想には気付かされた、というコロンブスの卵的な三人称の使い方、これが良かった。

ラノベ志望さんという背景とweb投稿というチャネル上、全体に軽さが含まれるのだけど、きっとたくさん本を読んでいる方なのだろうし、キラリと光るフレーズがけっこう撒いてあって、すごく良いなあと私は思った。読んで良かった。

こういう荒削りながら、新鮮な視点の物語って、ほんとう映画化に向いている。映画やっているの知らなかったから、ビデオで見たい。

すでに映像化はされているのだけど、神木くんとか渋谷くんを当てはめて読んでいた。

蜜蜂と遠雷

良かった。さすが恩田陸
夜のピクニックも好きだった。

青春を、天才を、とてもドラマティックに、そしてリアルに反すうさせてもらった。天才児ネタの物語はどうしても背伸びの要素が出るので白けてしまうことがよくあるのだけど、静岡のコンクールを本当によくお調べになったのだろう、それがきっとふわふわしがちな天才児ネタを地に足つけたものにしている。

コンクール結果も、さすがの選択というか、とても納得する終わり方で、ベストエンドと言いたい。

近似の題材はコミックであれば、ピアノの森とか、神童だとかが好きなのだけど、ペンひとつで音楽を語る、奏でる、というのはいかにも情緒深い。私の想像している音は、他の人と同じではない。活字を追いながらそれぞれの脳内でそれぞれが思う神曲を回している、少ない情報量からの、その分岐の豊かさがテキストメディアの醍醐味だと思った。